プッシュゲーミング(Push Gaming)社が日本市場から撤退
「ジャミンジャーズJammin’ Jars」「ファットラビットFat Rabbit」など、数々の人気ゲームを送り出してきたオンラインカジノの人気プロバイダ、プッシュゲーミング(Push Gaming)社が、8月28日をもって、正式に日本市場から撤退しました。
プッシュゲーミング社のスロットファンにとっては残念なお知らせですが、プッシュゲーミング社がMGMグループ傘下のレオベガスグループに買収されたことが、今回の日本市場撤退の引き金となりました。
プッシュゲーミング(Push Gaming)社とは?
プッシュゲーミング社といえば、「ジャミンジャーズ」シリーズや「ファットサンタ」「ファットラビット」といったファンキーでコミカルな画面がすぐ目に浮かびます。ストーリー性の高いスロットとは一味違うシンプルでファニーなプッシュゲーミング社のスロットは、飽きずに楽しめる点が特徴といえるでしょう。
一方で、マルチプライヤーやフリースピンといった爆発力も搭載。また、他社に先駆けて、モバイルフレンドリーな使い良さを追求したのも、プッシュゲーミング社の功績でした。市場撤退には、一抹の寂しさがともないます。ファンとしては、将来的な復帰を期待したいところです。
日本撤退の理由はMGM(レオベガス)グループによる買収
さて、今回のプッシュゲーミング社日本市場撤退は、レオベガスグループによるプッシュゲーミングの買収にともなって進行しました。皆さんご存知のように、レオベガスグループ自体は、2022年にラスベガスに本拠を持つ大手カジノMGMに買収され、同年のうちにレオベガス、ロイヤルパンダ共々、日本市場から撤退しています。
今回のレオベガスグループによるプッシュゲーミング社の買収、日本市場撤退も、当然、レオベガスグループの単独行動ではなく、親会社であるMGMの計画的展開。MGMは大阪の夢洲IR計画の運営実行会社でもあるため、大いに動向が注目されています。
MGMとしては、配下のレオベガスグループを日本市場から撤退させた以上、新たに自社グループの一員となったプッシュゲーミング社のゲームも日本市場から引き上げさせるのは、当然の流れだったといえるでしょう。問題は、今回の市場撤退が一時的なものなのか、恒久的なことなのかという点ですね。
レオベガスグループの日本オンラインカジノ市場復活はある?
では、レオベガスグループの日本オンラインカジノ市場への復活はあるのでしょうか?オンラインカジノファンとしては気になるところですが、復活への道筋は簡単ではなさそうです。
先述のように、MGMは大阪夢洲のIR計画の運営企業、国土交通省から認可を受けています。夢洲IRは政府の公認する大型事業であるとともに、反対派の運動も続いていることから、2021年に事業者に決定して以来、MGMは慎重に事業計画を進めてきました。
一方、オンライン部門を手掛けるレオベガスグループは、MGM傘下に入って以来、ヨーロッパ市場を中心に展開。かつては日本でもレオベガスやロイヤルパンダが人気を博していましたが、2022年8月に日本市場から撤退しました。
日本初のランドカジノを手掛けるという大事業を擁するMGMとしては、少なくとも、夢洲のIR計画が具体化するまでは、オンラインカジノ関連で日本政府や世論を刺激したくないのが本音でしょう。
レオベガスやロイヤルパンダ、さらにはプッシュゲーミングのスロットのファンとしては、一日も早く夢洲IRが完成して、MGM傘下のグループが日本市場に復帰してくれることを期待しましょう。