2013年にカジノ法案（IR整備法）が国会に提出されてから、10年の歳月が経過し、ついにIR整備計画が本格的に動き始め、日本初のカジノが大阪に誕生する見込みです。
当初の予定から大幅に遅れたIR整備計画ではありますが、いよいよ現実的になってきました。「日本にカジノができる…」そう期待に胸を膨らませている方も多いのではないでしょうか。
2023年4月14日の朝、岸田総理により大阪のIR整備計画の認定が発表されました。IR開業当初の候補地は最大3ヶ所と決められており、これまで長崎や和歌山、横浜など複数の地域が候補に上がってきましたが、大阪が初めて認定された形です。
IRの建設予定地は、大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲で、カジノやホテルはもちろんのこと、国際展示場・会議場、ショッピングモール、映画館、テーマパークなど、様々な施設の建設が予定されています。
IR整備計画の具体的な内容はまだ発表されていませんが、IRの開業予定は2029年の秋から冬頃とされています。つまり、今から約6年の歳月をかけて、日本初のカジノが誕生することになります。
IRの規模は492,000平方メートルで、東京ドーム10個分の広さに相当します。初期投資額は1兆800億円程度と試算されています。
カジノの所有面積はIR全体の3%以下となる見込みですが、年間5,200億円の収益が見込まれ、IRの売り上げの8割を占めるとのことです。
現在は、大阪万博2025に向けたインフラ整備が進行中ですが、万博終了後には夢洲がどのように変貌するのか、どんな風景が広がるのか、ますます期待が高まっています。
大阪、カジノ誕生で観光客増を狙う
カジノが日本に誕生することで、観光客の増加が期待され、また巨大なIRが新たな雇用を生むことになります。雇用が増えることで大阪の経済発展が促進され、日本全体に波及するでしょう。
しかし、現実には本当に観光客の増加につながるのでしょうか？ 世界的なパンデミックである新型コロナウイルスの影響が続く2023年においても、懸念材料です。他のアジア諸国においては、カジノ業績が急激に悪化したという事例があります。
例えば、シンガポールにあるアジア最大のIR「リゾート・ワールド・セントーサ」では、2022年の純利益は前年比86％増加しましたが、それでもパンデミック前の半分程度までしか回復していません。
カジノを運営するアジアの他の国々、例えばマカオ、フィリピン、韓国などでも、インバウンドが激減したため、カジノに与えるダメージは計り知れないものになっています。大阪にカジノが誕生する2029年になっても、コロナの影響が少なからず残っている可能性があります。
しかし、大阪カジノ周辺には、ユニバーサルスタジオジャパンや海遊館などの娯楽施設、さらに大阪の中心地である日本最大の繁華街「ミナミ」など、多くの観光資源があります。このような観光資源豊富な立地条件こそが、他のアジアのカジノにはない大きな魅力となります。
また、大阪府によると、最初の3年間は国内観光客が7割を占めると試算されています。インバウンドだけに頼らないIR運営こそが、日本のカジノの特徴となります。
問題は、高齢化が進む日本の社会です。高齢化が進むと、必然的にIRを訪問する人数が減少し、カジノの衰退につながる可能性があります。
IR計画を成功させるためには、根本的な少子化対策はもちろんのこと、カジノ独自の魅力を高める必要があります。これこそが、日本が観光立国としての地位を世界へ発信する大きな課題となっています。
カジノで成功するためには、今後政府による少子化対策や大阪府のIR運営に期待する必要があります。日本なら、きっとその期待に応えてくれることでしょう。
まとめ
2023年4月14日、日本政府がIR整備計画を認定し、大阪に日本初のカジノが誕生するニュースを元に、カジノの目的や課題について詳しく解説します。
カジノ法案は10年前に国会に提出され、2023年になってやっとカジノ誕生が現実的になりました。最初は東京オリンピック2020に合わせて開業する予定でしたが、国会での議論が長引き、新型コロナウイルスの影響で断念せざるを得ませんでした。
しかし、岸田総理が大阪のIR整備計画を認定したことで、明るい未来が見えてきました。大阪万博後には、これまでにない全く新しい大型総合リゾート施設が誕生することになります。
大阪は観光資源が豊富でアクセスも良い場所なので、国内観光客を中心に大きな盛り上がりが期待されます。
2029年に向けてスムーズにカジノ運営が始まり、その後は少子高齢社会対策とカジノ独自の魅力向上という課題に成功し、日本が観光立国として世界に誇れることを期待しましょう。
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